チャルゲの視点

航空宇宙工学を学んで,畑違いの営業マンになった男が日々思うことをつぶやきます.

【書評】アウトプット大全が人気な理由がさっぱり分からないので内容について考察してみた

チャルゲです.

最近,OUTPUT大全という本が人気ですよね.

どこの本屋に行っても置いてあるし,10万部を超えるベストセラーになっているようです.

Amazonのレビューを見ても非常に評価が高く,良い本のようです.

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しかし,僕は全くそう思いません.

正直言ってベストセラーになるような本ではないと思います.(僕のセンスがないだけという見方もできる)

いつもおすすめの本ばかりなので,たまには面白くない本の紹介もしようと思い,記事にしました.

樺沢紫苑とは?

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樺沢紫苑さんは精神科医です.

メルマガを配信したり,YouTubeチャンネルを更新したりとかなり精力的に活動しているようです.

また,講演会を開催しているらしく,非常に発信力が高い精神科医のようです.

精神科医と言いながら,どこの病院に勤めているのかさっぱり分からないので本当に仕事しているんかと思ってしまいますが,おそらくしているのでしょう.

www.youtube.com

こんな感じでYouTubeでも考えを発信してくださっているので,非常に親しみやすいです.

OUTPUT大全のくそな点

僕は樺沢さんが嫌いなわけではないのですが,素直にOUTPUT大全が人気な理由が分かりません.

その理由を挙げたいと思います.

役に立つ情報がない

本の中では80のOUTPUTの方法が書かれているのですが,どれもこれも当たり前のことばかりです.

話すとか伝えるとか,OUTPUTの基本中の基本です.

これが80のうちの少しなら良いのですが,本全体に渡ってこんな調子なので,本当に読んだ人の役に立つのかなぁと疑問に思います.

捉えようによっては,日々の行動すべてがOUTPUTにつながっているので,そのそれぞれに意味付けをしていこうねという意図で書かれたのかもしれません.

前の本と書いてある内容が同じ

僕は以前樺沢さんの書いた読んだら忘れない読書術という本を読んだことがあります.

その本では読んだ本をいかに頭に残すかの方法について書いていたのですが,内容は同じですね.

その本の内容は,本を読むときは線を引き,自分のためになったと思ったところを人に話すことによって定着するという内容でした.要するにOUTPUTしろよということです.前と同じことが永遠と書いてあるなぁという印象でした.

なぜ売れているか

それではなぜ売れているかについて考察したいと思います.売れている理由は以下の順番で購買行動が流れていると考えています.

①熱心なファン層が買っている

樺沢紫苑さんは冒頭でも述べたように,精神科医にも関わらず,非常に発信力が強い方です.そのため,多くの人に日々情報を届けており,その内容も悪くないので多くのファン層を獲得しています.そのため,彼ら彼女らは,彼が本を出した時にいち早く本を購入し,売り上げの下支えと初速を出すという役割を果たしてくれます.これにより,まず初版時の最低発行部数が担保されます.

ファンを付けるという面では、以前の記事で書いた大嶋啓介さん、山崎拓巳さん、岡崎かつひろさんあたりも似たような感じですね。興味があったらそちらの記事も参照してみてください。

www.blog-of-charge.com

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②OUTPUTというキラーワードに惹かれている想像以上の人が買う

次に今回の大きな勝因だと思いますが,OUTPUTという言葉がキラーワード過ぎました.最近(?)の自己啓発ブームから,様々な自己啓発本が出版されています.しかし,それらの本を読む勉強というのはINPUTという性質を持つため,どうしてもOUTPUTをおろそかにしがちになります.

要するに,みんな勉強はしているけど,全然身に付いておらず,その原因はOUTPUTが足りていないからという点まではぼんやり気付いている状況だったのです.

そこで,OUTPUTです.

みんなが欲している「どうやって定着させればいいか分からない」という悩みを的確に突いたのがこの本だったのです.その結果,多くの悩んでいる勉強家が買うことになりました.

また,そもそも①で書いた通り,そもそもある程度実績とファンがいる方で発行部数が多く人の目に触れやすいため,勉強家の方々の目に止まりやすく,OUTPUTという言葉が正しく刺さったのです.

③売れているからとりあえず買う

ここまで,本が売れればあとは簡単です.数万部を超えたあたりで本は内容に関係なく人気本としての地位を確固たるものにします.

①と②の相乗効果で③のフェーズまで来てしまったので,後は本屋さんが目立つところにおいてくれるようになり,ベストセラーになっていくという流れです.

まとめ

正直,内容自体は好きではありませんでしたが,本の売り方としてはかなり勉強になりました.要するに,ファン層を付けて,刺さる言葉をタイトルに入れれば,あとは簡単なのです.(それが難しいんですが(笑))

樺沢さんはしっかりブランディングができているなぁと感心しました.

売り方以外にもおっと思ったところはあって,OUTPUTの方法の一つとしてブログがこの本にも書いてありました.

ブログに対して面倒くさいなと思っていたぼくにとって,続ける意欲をもたらしてくれたのはこの本だったので,その点については感謝しています.

批判して,売れている分析をするというよく分からない考察記事になってしまいましたが,面白い人にとっては面白いと思うので,興味のある方はぜひ読んでみてください.レビューの高さもぜひその目で確かめてみると良いと思います.